No.003 古いVueデータを「Vue 5」用に変換して取り込む


* 以下の解説は「Vue 5 Esprit」を前提に書いています。


インターネットの検索サイトで探せば、Vueのデータを無償配布しているサイトがいくつか見つかるだろう。こうしたサイトにアクセスしてデータをダウンロードしてきて、いざ使おうとすると「古いバージョンのファイルなので使えません」とか「扱えないので削除してください」いった表示が出て、フリーズじみたNGとなることがある。

しかし、あきらめることはない。ここでは、そうした古いバージョンのファイルを「Vue 5 Esprit」で使える形式に変換する手順を解説する。



● 古いバージョンのファイル

「Vue 5 Esprit」には、「Vue d'Esprit4」と「Vue 4 Professional」で作成されたファイルを読み込む機能はあるが、それ以前のバージョン(「Vue d'Esprit3」「Vue d'Esprit3」)で作成されたファイルを読み込む機能はない。

しかし、「Vue 5 Esprit」のCD-ROMの中には、「Old Scene Converter.exe」というファイル変換ソフトが収録されており、これを使えば、古いバージョンのファイルも「Vue 5 Esprit」で使用可能になる。

ここでは、実例を示しながら話を進めるため、有名な「Renderocity」から古いファイルを1つダウンロードしてきた。興味があれば、皆さんもチャレンジして頂きたい。
(*「Renderocity」でこのファイルをダウンロードするためには、登録(無料)が必要)






今回選んだのは、「Renderocity」の「Free Stuff」にある「Stone Fireplace 」(左図参照)である。


これは、「Free Stuff」ページで「Choose A Free Stuff Area」から「Vue」を選び、出て来たウィンドウの末尾にある [Last] をクリックすれば出て来る。つまり、最も古い層にあるファイルである。













ダウンロードすると「fplace.zip」というzip形式ファイルが得られ、これを解凍すると、下のような2つのファイルが出来る。


上記のvob形式のファイルは、いかにも「Vue 5 Esprit」で読み込めそうに見えるのだが、実際に読み込もうとすると、左図のようなエラー・メッセージが出て、最悪「Vue 5 Esprit」がフリーズしたような状態になる。



● 「Old Scene Converter.exe」の取り込み

「Old Scene Converter.exe」は、「Vue 5 Esprit」のApplication CDの中に入っている単体の実行ファイルである。「Vue 5 Esprit」をインストールしただけでは、このファイルはパソコンにインストールされない。何度か使う可能性があるプログラムなので、パソコンにコピーしておくと便利である。

「Vue 5 Esprit」のApplication CDをパソコンのトレイに入れ暫く待つと、自動実行プログラムが作動して起動画面が現れる。このとき、「Browse this CD」をクリックすると、下の画面が現れる。


上の「Old Scene Converter.exe」が目指すファイルである。これを右クリックし、「コピー」を選んで、パソコン内の適当な場所に貼り付けておこう。古いVueデータを変換するたびにCD-ROMをトレイに入れるのは面倒だからだ。

ちなみに、この「Old Scene Converter.exe」は、サービスの一環として収録されているものなので、メーカーのサポートの対象外となっている点、ご留意頂きたい。



● 「Old Scene Converter.exe」の起動

では、「Old Scene Converter.exe」を起動し、先ほどダウンロードし解凍して得た「Fireplace2.vob」を、「Vue 5 Esprit」で使用可能なファイルに変換してみよう。




まずは、先ほどパソコンに取り込んだ「Old Scene Converter.exe」をダブル・クリックして起動する。



暫く待つと、左図のようなツリー式のエクスプローラが出て来る。これで、古いVueデータが入っているフォルダを指定する。

この場合、指定するのは古いVueデータそのもの(つまり「Fireplace2.vob」)ではなく、それが入っているフォルダである点に注意。

(今回は、ダウンロードしてきた「fplace.zip」を解凍して得られた2つのファイルを、「No.002」で使った「e-on software」フォルダに収めたので、このフォルダを指定することになる)
(左下図参照)


変換すべきファイルが入っているフォルダを指定したら、「OK」を押す。




「OK]ボタンを押して暫く待つと、左上のウィンドウが現れる。


そして、再び「OK」を押すと、今度は左下のウィンドウが現れる。


これでファイルの変換は成功である。メデタシ、メデタシ。




きちんと変換されているか確かめてみよう。


「No.001」で解説した手順にそって、Vueの画面の左端にあるアイコンの中から、「オブジェクトの読み込み」アイコンをクリックし、古いVueデータの保存先フォルダ(この例では「e-on software」フォルダ)を選択すると、今度はこのようにきちんと表示された。

ちなみに、画面に配置してレンダリングすると、こういう3DCGデータである。

(暖炉が野原にあるのも何だか変だが・・・)





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