No.008 Poserから取り込んだデータのテクスチャ不具合の解消


* 以下の解説は「Vue 5 Esprit」を前提に書いています。


Vueでは、Poser からデータを取り込むことが出来る。私の作品に登場する人物も、基本的に Poser で設定して、それを Vue に取り込むという手順で配置している。これは極めてポピュラーな方法なので、多くの Vue ユーザーは先刻ご承知のことと思う。

しかし、この取り込み時に、衣類などのテクスチャが正しく反映されないことがある。光沢のある金属地になってしまったり、真っ黒に変色したりする。今回は、これを元に戻す方法を紹介しよう。

なお、あらかじめお断りしておくが、これは私流のやり方であって、もっと正しい編集方法があるのかもしれない。また、今後この不具合を修正するパッチが出れば、問題は解決されるのだろう。そうなる日が来ることを、ユーザーの一人として切に願っている。



● 不具合の実態

まず、何をさておき、どんな問題が生じるのか、実例を見てみよう。





これは Poser6 で制作したもの。データは全て DAZ のもので、クレジットを以下に記しておく。

■フィギュア
 Victoria 3.0 Base

■テクスチャ
 Victoria 3.0 Universal Texture Maps
  (High Res)

■髪
 Sassy Hair 2.0

■衣類
 TechnoMaelstrom

■背景
 Level 19 Cargo Bay Doors


上記で設定した Victoria を Vue に取り込んでレンダリングしてみると・・・

全身輝くアルミのボディに包まれた、ロボコップみたいな Victoria となるのである。

これはこれでカッコいい気もするが、「TechnoMaelstrom」のテクスチャはいったいどうなってしまったのだろうか?



● 原因を究明してみよう(その1)

何はともあれ原因究明である。取り込まれた Victoria のテクスチャ情報を吟味してみる必要がある。

そのためには、前回の「No.007 インポートしたオブジェクトのテクスチャを変更する」で使った「質感一覧の表示」を見るのが一番である。これは、Vue のウィンドウの上にある「表示」をクリックして、出て来たツリーから「質感一覧の表示」をクリックすれば出て来る。





この辺りが「TechnoMaelstrom」のテクスチャ情報なのだが、う〜ん、アルミのように光り輝いている。

早速ダブルクリックで「詳細質感エディタ」を呼び出してみよう。




テクスチャはきちんと読み込まれていることが分かる。確かに、輝くアルミ・ボディの下に、うっすらとテクスチャの模様が見える。

となると、問題は光沢設定ということになる。早速画面中ほどのタブから光沢を選び、クリックしてみよう。




画面左端の「グローバル反射率」のスライダー・バーが50%と高い設定になっている。これを10%まで下げて反射を抑えてみる。

この操作は、「詳細質感エディタ」に表示される「TechnoMaelstrom」のテクスチャ全てに対して行う必要がある。多少面倒だが、根気よくやってみよう。




「グローバル反射率」を10%まで抑えたあとの「TechnoMaelstrom」のテクスチャの状態。これで大丈夫か、レンダリングしてみよう。


ゲゲッ! アルミ・ボディは解消されたが、今度は黒革のボディ。

まぁ、これでもカッコはいいのだが、ここで妥協していてはこの講座を開く意味がない。



● 原因を究明してみよう(その2)

ここでくじけず、再度原因を確かめよう。上のレンダリング画像をよく見ると、白く抜けるはずの部分がまだらの茶色になっている。つまり、その部分を設定しているテクスチャ情報に、まだ何かの不具合があるはずである。

先ほど呼び出した「質感一覧の表示」のウィンドウから、この本来白く抜けるはずのテクスチャ情報をダブルクリックし、「詳細質感エディタ」をもう一度見てみよう。





一つ気付くのは、ウィンドウ左下の「カラー合成」の欄で、ボックスにチェックが入っていて、合成する色も「白」が指定してあるのに、合成比率を操作するスライダー・バーがゼロになっている。どうもこの辺りが怪しい。

これを100%まで上げてレンダリングしてみよう。

この操作も、「詳細質感エディタ」に表示される「TechnoMaelstrom」のテクスチャのうち、本来白く抜けるはずのパーツ全てに対して行う必要がある。




おぉ、今度はうまくいった。Poser でレンダリングしたときと、同じデザインになっている。

一応これにて、一件落着。



● おまけ

以上で解説はおしまいだが、どうせここまで操作して来たのだから、おまけとしてちょっとしたお遊びをしよう。





先ほど、白く抜けるはずのテクスチャ情報をダブルクリックし、「詳細質感エディタ」を出したが、もう一度これをいじってみよう。白を別の色に変えるのである。

左下のカラー合成の欄にある、色を指定する小さなボックスをダブルクリックする。




そうすると、色の指定画面が出て来るので、自分の好きな色を指定する。ここでは黄色を選んでみた。選んだ色は、先ほどダブルクリックした小さなボックスに反映される。

この操作を、白抜きになる部分のテクスチャ情報全てに対して行う。




白地を黄色に変えてレンダリングしたもの。

わざわざ自分でペイント・ソフトを駆使して新しいテクスチャ作らなくとも、この程度のことなら Vue の操作で出来ます。皆さんもお試しあれ。





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